日本人は慢性的な睡眠不足に悩まされている国民と言われています。
仕事や子育て、学生なら勉強やアルバイトが忙しくて時間が取れないと嘆くぐらいです。このまま年齢を重ねていけば、体に負担がかかります。もちろん目も負担がかかりますから、それが原因で老眼の進行が早くなることも考えられるのです。
睡眠不足が老眼を進行させるって本当?
どうして睡眠不足と老眼が関係するのか詳しく話すると、目も体の一部だからです。しばらく寝不足で体の疲れがなかなか取れないと感じることはありませんか?
それは体だけでなく目も同じことを感じているはずなのです。目がしょぼしょぼしたり、目の奥がズンと重く感じるようなことがあれば、それは睡眠不足による疲労が目に蓄積されている証拠と言えるでしょう。
質のいい睡眠を継続してとることができれば、体の疲れが回復されます。脳の疲れももちろんしっかり回復されるので、目の働きを回復させるためには毎日質のいい睡眠を取り入れることが大切です。また、自律神経が乱れてしまうのも寝不足の怖いところです。自律神経が乱れてしまうと体の老化が早まると言われていますから、目の老化も同時に早まってしまることが分かっています。
睡眠不足による目の老化の仕組みですが、年齢を重ねていくと水晶体の弾力がどんどんなくなってしまいますし、毛様体筋というピントを調節するための筋肉の衰えも進んでしまいます。そのため、物を見入るときにぼやけて見えてしまうのです。手元が見えにくいというのは老眼の特徴ではありますが、これまで見えていたはずなのに遠くの景色もぼんやりするようになってきたというのも老眼の症状のひとつです。
老眼対策には睡眠の質を向上させよう
あまり神経質に考える必要もないのですが、仕事や家のことを終えてリラックスした時間を過ごしているときから寝る準備を整えてみてください。例えばお風呂です。日本人のほとんどが湯船につかる習慣があるので、寝る前の血流を促進させることで寝不足対策が可能となります。
もしも時間にゆとりがあるならば、お風呂に入る前に軽くストレッチなどで体をほぐすのもおすすめです。時間にすれば5分10分でも十分ですから、ゆっくり深呼吸をして体の隅々に酸素を行き渡らせるイメージでストレッチを取り入れてみてください。
お風呂に入るときにお気に入りの入浴剤を使うのもいいでしょう。心地いいと感じる香りに包まれるだけでもリラックス効果が高まります。リラックス出来れば質のいい睡眠に誘ってくれますから、その日の気分でいろんな入浴剤を試してみるのもおすすめです。
ちなみにお風呂に入るときの温度は38~40度が理想と言われています。ちょっとぬるいと感じるぐらいが私たち人間の体には適温なのです。あまり熱すぎるとリラックス効果がなくなってしまいますから、副交感神経を優位に立たせて眠気を誘うためにもぬるめのお湯を意識しましょう。
それから、最近は寝る直前までテレビを見たり、パソコンやスマホをいじっている人が増えてきました。楽しいテレビ番組もたくさんありますし、ネットにも楽しい情報やコンテンツが満載です。そのため、スマホを見たまま寝落ちをするのが日常と答える人も少なくありません。
実はこの状況はまったくおすすめできないものです。やはり画面から出ているブルーライトは目に大きな負担をかけていますし、強い光を見続けていることで脳の中のメラトニンの生成が阻害されてしまいます。メラトニンとは眠気を促すホルモンのひとつなので、その生成が邪魔されてしまえば、いつまで経っても眠気が起きません。
これによって体内時計が狂いって一年を通して寝不足気味になってしまうのです。理想として言われているのは、寝る1~2時間前にはテレビ、パソコン、スマホの電源を落とすことです。
寝るまでやることがないのは退屈と感じるなら、本を読むといいでしょう。文字を読むことも目を使いますが、パソコンやスマホと違ってブルーライトによる負担がありません。ゆったりとした時間を過ごすことで、特に意識しなくとも心地よい眠りにつくことができるはずです。
最後に食べるものにも注意が必要です。毎日バランスのいい食事は大切ですが、つい寝る直前に何かを食べてしまうことがあります。例えば外でお酒を飲んで帰ってきた時、なんとなく小腹がすいて何かを食べてしまうことはありませんか? 自分では気づかないかもしれませんが、夜遅い時間に食べてしまうと交感神経のほうが活発になり、体が休まろうとしません。むしろ活発に活動を始めてしまうので、質のいい睡眠とは程遠い状態に陥ります。
理想と言われているのは、就寝する3時間前には食事を終わらせていることです。夜中にテレビを見ながらダラダラと何かを食べたくなるかもしれませんが、自分がいつも寝る時間から逆算して、3時間前には食べ終わるようにしてください。
ギリギリでも2時間前には済ませておいて、胃や腸の働きを休ませてあげましょう。これを意識するだけでも睡眠不足が解消されますし、胃を休めることができるので逆流性食道炎などの病気を未然に防ぐことも出来ます。