手元が見えにくくなることでスマホや新聞の文字を読むのに苦労します。
老眼の症状がはじまったとき、初めは老眼鏡をかけることが面倒に思ってしまい、そのまましばらく過ごしてしまうという方も少なくありません。また、中には老眼鏡をかけると老眼が進むという話を信じてしまい、手元が見えにくいまま過ごしている方も多いようです。
老眼になった時、老眼鏡をかけると本当に老眼が悪化するのでしょうか。なぜ老眼鏡をかけると老眼が進むと感じてしまうのでしょうか。その真相に迫っていきます。
老眼鏡をかけたら老眼が進むの?
手元の文字や遠くの物が見えにくくなるのは本当に不便を感じます。これまで特に視力のトラブルをかかえていなかった方にしてみれば、老眼の症状が出てきたことは大問題と感じるようです。
例えば薬やサプリの説明書を読むとき、どんな成分が含まれていて1日何粒、いつ飲んだらいいのか分からないのは大変です。スマホにメールが届いたり電話がかかってきたとき、その相手が誰なのか文字が見えなければ確認するのも一苦労です。老眼鏡をかけずになんとか読もうとしても、必要以上に目を酷使するため疲れてしまいます。
はじめは少しにじむ程度なので手元から離して見れば読めなくはない状況なので、特に老眼鏡をはめずに過ごしてしまうという方も多いですが、それがとても不自由なことに気づき始めてやっと老眼鏡をかけるようになる方も珍しくありません。
中には、老眼鏡をかけるとさらに老眼が悪化する可能性があるので裸眼で過ごしているという声が聞こえてきます。確かにこの話は全国的に知られていて、文字が見えずらいだけでなく遠くを見るときも景色がにじんで見えるのに我慢しているという方がチラホラいます。
例えば客観的に考えて、車の運転などで景色が見えにくいのはどうでしょうか。そんな状態で車を運転することはとても危険です。自分だけは大丈夫という過信によって事故が起こる可能性は非常に高いわけですから、安全のためにも老眼鏡は必要不可欠なのです。
そこで気になるのは、老眼鏡をかけると本当に老眼が進むのかという話ですが、結論をお話しすると、その話はまったくの間違いです。老眼鏡をかけたからといって老眼が進行するようなことはありません。
老眼鏡をかけるとなぜ老眼の進行を感じてしまうのか
どうして老眼鏡をかけると老眼が進行するという話が広まってしまったのか不思議に思う方もいるでしょう。先ほども話したように、老眼鏡をかけて老眼が進行することはありえません。なぜそんなうわさ話が広がってしまったのか、それはちょっとした勘違いが理由と言われています。
その理由とは、老眼鏡を外したときに手元や遠くの景色がにじんでしまうことにありました。ついさっきまで老眼鏡をかけていたときは、視界はすべてクリアな状態で過ごしています。ところが老眼鏡を外した途端、本来の目の状態があらわになり、手元も遠くの景色もにじんでみえてしまいます。そのため、これまで老眼鏡のおかげで見えていたものが見えにくくなったことで「老眼が進む」と勘違いしてしまう人が後を絶たないのです。
朝起きて老眼鏡をかける前と、日中老眼鏡を着けて過ごして1日の終わりに老眼鏡を外したときの目の状態に違いはありません。老眼鏡をかけて過ごしていたことで、かける前とはずした後の状態が違うように勘違いしているだけなのでご安心ください。
若い世代も老眼になる可能性もある
元々老眼は中年以降になると症状がハッキリと表れると言われていますが、今の時代はスマホ老眼という言葉があるように、若い世代でも目のピント調節がうまくできなくなって老眼に似た症状を訴える人が増えてきました。老眼は20代から少しずつ始まって、40代になると自覚症状が現れると言われています。50歳を超えるころにはほとんどの方が老眼の症状を抱えていて、一度老眼の症状が進行すると治る可能性はほとんどなく、出来ることと言えば老眼の進行を遅くする予防策を取り入れることです。
そのひとつに、出来るだけ早く老眼鏡をかけて目にかかる負担を軽減させる必要がありますが、どうしても老眼鏡は見た目にもお洒落に見れないだけでなく、一気に老けた印象を与えそうでイヤだという声も少なくありません。しかし、そのまま放置して裸眼で過ごしていれば想像以上に老眼が進行するのは目に見えています。
老眼鏡をはじめてかけたとき、老眼が徐々に進行する時期と同時期になるため老眼が酷くなってしまうというイメージがまだ残っていますが、目を酷使すれば眼精疲労も出てきますし、ドライアイのような症状も次々に出てきます。
悩みが解消されないという場合、試しに100円ショップの老眼鏡を買って試してみてください。老眼鏡としての役割は通常の眼鏡に比べて劣りますが、老眼鏡をかけて手元を見たときのクリア感は爽快ですし、目に負担がかかっていないこともすぐに体感できるはずです。
我慢は老眼の敵
先ほど話した100円ショップの眼鏡は一時的に試すためならおすすめですが、長期的に付け続けることはあまりおすすめできません。なぜなら、老眼の状態は人それぞれ違うためです。見た目がお洒落じゃないとか老けて見えそうというのは昔の話ですから、見た目的な問題は解消されるので心配は無用でしょう。普通のお洒落な眼鏡と変わらない見た目ですから、人から見られた時に老眼鏡をかけているとバレないのも嬉しい限りです。
老眼鏡をかけるとき、右目と左目の状態の違いは眼科で診断してもらいます。眼科の隣に眼鏡屋さんが併設されているところもありますし、近所の眼鏡屋さんなら何か眼鏡に不調が生じたらすぐに対応してくれるので安心でしょう。既製品の眼鏡で老眼が矯正されないわけではありませんが、自分の目に合っていないのでどうしても疲れが出てしまいます。眼精疲労は老眼を進行させてしまう可能性があるので、やはりこの機会に自分に合った老眼鏡を作ってみてください。
老眼鏡のメリットとデメリットは?
最近はシニア向けの老眼鏡売り場も充実していて、老眼を我慢する時代ではなくなりました。コンタクトレンズが広く普及していることもありますが、眼鏡市場のおよそ7割以上は老眼鏡と言われているほど、私たちに身近な存在になってきたのです。
老眼鏡のメリットは、視力を眼鏡で矯正することで見えにくかった手元も遠くの景色もハッキリ見えるようになります。そのため、目にかかる負担がなくなるのでストレスを感じなくなるのが大きなメリットではないでしょうか。
逆にデメリットですが、昔であればやはり見た目がどうしても老けて見られるということがあったものの、先ほども話したように老眼鏡の市場は急上昇しています。実際に行ってみると分かりますが売り場が充実していて、通常の近視用メガネと見た目がほとんど変わりません。フレームの種類も豊富にそろっているので、自分の好みや自分の顔の形に合うタイプを選ぶことも出来ます。また、素材もたくさんありますから、老眼鏡をかけたときに負担がかかりにくいタイプを選ぶことも出来るようになりました。
ディスクワークでパソコンを長時間使う場合や、寝る前の読書時間がこれまで以上に快適になることは間違いありません。老眼鏡をつけるデメリットは見当たらないと言っていいでしょう。老眼が改善されれば目の酷使による疲れがなくなるため頭痛や肩こりなどの症状もなくなります。お洒落眼鏡という言葉があるぐらいですから、老眼鏡をかけることはオシャレアイテムがひとつ増えるという感覚で気負わずに試してみてはいかがでしょうか。